南京虫の研究


 

2010.02.10 記     

 

  

  

 南京虫 またはトコジラミ 臭虱 英名 Bedbug コ奴らに遭遇せず存在すら知らずに世界を旅をしている方々・・ あなたたちはほんとうに幸せ者です。。

 

  

 

 

 

◎ 吸血昆虫 BEDBUGS の生態

 

 

 ・ マットレスの縫い目、ベッドの接合部、カーペットの下、柱や天井と壁の隙間、カーテンの折り返し部分、家具や鏡台、電化製品、ダンボールや雑誌の隙間など・・暗くて狭いところならどこにでも棲みつく。特に適度に湿気があるところが大好き

 

 ・ 成虫は、体長5~8mm、色は茶褐色、体型は扁平、血を吸った後は赤褐色になり動きは緩慢になるが、普段は非常にすばやく動く。カメ虫の仲間のため虫体から悪臭を発する

 

 孵化から成虫まで約2-7週間かかるが、これは吸血原の有無や温度などに影響される。幼虫が脱皮をくりかえして成長し、そのまま成虫となる不完全変態。幼虫に噛まれても成虫と同じくらいの痒みがある、しかも幼虫の方が試し噛みをするようで噛み跡が複数箇所できる。幼虫をよく観察すると常に体を小刻みに震わしている

 

 ・ 暗くなると活動をはじめ、体温や呼気を感知して寝ているヒトの首すじや手足などの露出部から吸血する。吸血している時にヒトが動くと刺し口を変えるため、傷が2箇所以上つくことがある。吸血による痒みは蚊の数十倍、そして数日から数週間継続する場合もある。一旦痒みが治まっても一ヶ月後にまた痒くなってくることもある。アレルギー体質の人は患部が大きく腫れたり別の部位に発疹ができたりすることも..... 夜刺される不安から眠れなくなり不眠に悩まされることになる 

 

 ※ 現在のところ、南京虫が媒介する感染症は確認されていない

 

 

・ 生命力が非常に強く、蚊ハエ用の殺虫剤を噴射されても容易に死なない。ただ高熱と乾燥には弱い。飢餓にも強く、実験室内での実験では、18ヶ月間も無吸血で生存したという記録があるそう。ベッドの縁や壁の隙間などに半透明楕円形の卵を産み、卵を全て発見し除去しないと再発生を繰り返す

 

 ・ 衣類やカバンの荷物または輸送される家具などに取り付くことでその分布を拡大する

 

 

 

 

  

 

◎ 逃れる方法

 

 奴らの生息する部屋にいる限り完全に逃れるのは不可能、よって最も重要なのは奴らの痕跡を事前に発見してその部屋を回避すること

 

 木製の古いベットや床や壁、日当たりが悪い湿気のある部屋は要注意です。部屋の壁やシーツに血痕がないかベッド周りをよく調べましょう

 

 布団の裏側や枕カバーもチェックです。その時、細かい黒い点のようなシミがあるかどうかも確認して下さい。このシミがあれば、間違いなく南京虫はいます。ちなみに黒い点のようなシミというのは、南京虫の糞です

 

 

 

 

 ◎ 対処法

  

 奴らの痕跡がない部屋でも油断できません。怪しいと感じたらバックから荷物を出さずに衣類も部屋にヒモを張り吊るしておく。持参したシーツの上で休む、ソファ椅子に座るときも常に注意して何度も確認すること

 

 一度部屋を真っ暗にして持参のシーツに横になり奴らの気配を察知する「試し寝」をしましょう、奴らは身体に取り付いてすぐに血を吸い始めるわけではなく、適したポイントを探すため皮膚の上を這い回るのでモゾモゾした感じがあれば素早く電気を点けて体やシーツの上をチェックしてください。刺される前に発見することもできます。もし見つければ次の利用者に警告を与えるためにも壁でつぶしましょう。壁が汚れるって?そんなことより虫の被害を食い止める方が先決です。ベッド周りを調べて他にいないのであれば、私は以下のいくつかの対策をその状況に合わせて取ります

 

  1、ある程度の被害は覚悟のうえで部屋の電気を点けたままにして再度寝る。一般的に明るければ活動は鈍りますが、おかまいなしに現れる奴もいます

 

 2、マットレスを床に直置きして持参のシーツを敷いて寝る。もともとは自然の倒木などに棲息していたので、木製のベッドの場合はマットレスよりもベッドにいるケースの方が多い

 

 3、ベッドがスチール製ならマットレスを外してベッドにシーツを敷いて寝る。鉄製のモノに潜んでいることはありません 

 

  虫を発見後にこれらの対処をして全く刺されなかったこともあればやっぱり刺されたこともあります。奴らから完全に逃れるのは難しいです。次に事前にいくつかのツールを持っている場合について紹介しておきます

 

  ・ スプレー式殺虫剤  虫のいそうなところにくまなく噴射する。これで虫が死ぬとはいいきれませんが、活動力は低下するようです

 

 試したことはありませんが、日本の園芸店で売られているカメムシ用の農薬スプレーならカメムシの仲間である南京にも効くのではないかと思います。インドまでは持ってはいけないでしょうが・・ 

 

  ・ ダニ除けシート  ある程度の効果しか期待できません。固体によっては平気でのぼってくる奴もいます

 

  ・ ナフタリン  ベッドの四方に配置する。これもある程度は効果がありますが、完全ではありません 

 

  ・ ビニールマット  奴らはツルツルしたところを這うのが苦手なようです、ビニールのシートや袋の上で休む

 

 

  ※ インドの安宿を利用するなら以下の装備が必要でしょう

 

 1、白のシーツ 白は虫を発見し易い 普段は上掛けに使います 大小2枚あれば便利    2、ビニール or アルミシート 駅や空港で床に敷いて休めます。床が汚くて直にバックが置けないときにも使えます   3、透明のゴミ袋、虫の侵入を遮断、雨具としても使います   4、虫刺されの塗り薬 タイガーバームなど       

 

 

 

 

  ◎ 南京虫の後処理

 

  南京虫をもし発見したら即座に荷物をビニールの袋に入れ口を縛り、侵入を阻止しましょう。奴らはどこにでも入り込んできます。次に清潔な宿に移動しても自分のバックや衣類に付いてきて又刺されてしまってはいけません。そして伝染病のように自分がそれを伝播してしまい他人に迷惑をかけてしまうことだってあるのです

 

 別の宿に移動したら即座に衣類を熱湯に10分以上浸けて日当たりのよい屋上などで天日干しにしましょう。バックももちろん干します。高熱と乾燥でほぼ死んでしまいます。刺されるのはもちろん嫌なのですが、このように後処理にもけっこう労力を使うのでほんとうに嫌です

 

 

 

 

◎ 帰国の際は特に注意を!

  

 日本は木造家屋、家具、畳そして適度な湿気など虫にとっては住みやすい環境です。南京虫の名称の通り奴らは舶来の害虫です。幕末以降外国船の入港と一緒に渡来して爆発的に流行しましたが、戦後DDTの散布でほぼ絶滅しました。それが近年また流行の兆しを見せています。荷物や衣類の隙間に潜み渡航者と共にやってきているようです。これは一種の伝染病なので水際阻止が最も重要です

 

 もし奴らに遭遇したのなら帰国の際は出発前に現地で熱湯&天日干しを実施しましょう。もし無理なら帰宅直後に玄関でバッグや衣類をビニール袋に入れて部屋に持ちこまないようにすることです。その後熱湯&天日干しで徹底的に奴らを駆除しましょう

 

 

 

 

◎ 免疫ができるか否か・・

 

  あくまで個人的な経験ですが、最初に噛まれた時は腫れあがり数週間跡が消えなかったものですが、数ヵ年の間に何度も経験しているうちに腫れが酷くなることが稀になってきました。最近ではバームなどを塗って数時間経てば痒みもとれ腫れもなくなっています。免疫が多少はできるのかなと感じています。それでも刺されるのは本当に御免蒙りたいです ね。。((;_;)/~~

 

 

 

 

※ 最近はこの虫をトコジラミと呼ぶようになりましたが、この虫はシラミ(虱)ではありません。カメムシに近い種です。害虫であること、南京という中国の都市名であることから誰かが忖度してトコジラミと呼ぶように仕向けてるのですかね・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 # 追記 2019.06.30

 

 

 日本では沈静化したはずの南京虫の被害が、ここ10年あまり、静かに、そして急速に広がっている。しかも市販の殺虫剤が効きにくい「スーパートコジラミ」だという。原因とみられるのは訪日外国人の増加だ。来年の東京五輪・パラリンピックを控え、特に宿泊業の皆さんには特別に警戒を強めて欲しい。差別ではなく事実ではあるが、訪日客のうち虫の持ち込みが多いのは中国人だろう、なぜならタイでも中国からの旅客が増えてから虫の伝播が広がったと言われている。個人の経験でもマレーシアで相当悩まされたが、何れも中華系の宿だった