column目次 1-3 2016-18

  

 

COLUMNS   目次

 

❶  プライマリコントロール 

❷  BornsとChakras で 

❸  柔化と硬化

❹  コリアンパクリ武道 

❺  ヴィパサナ瞑想修行

❻   懐かし特撮ヒーロー

❼  タイマッサージで痛ッタ

❽  チャクラワークとは

➒  母国の文化を学びて 

❿  アシュタンガヨガ  前編

⓫  アシュタンガヨガ  後編

⓬  西式健康法と出会う

⓭  始まりの修行  役行者

⓮  なぜに蔓延る新興邪教

⓯  瞑想行について  站桩編

⓰  瞑想行 チャクラワーク編

⓱  南京虫 (トコジラミ)  襲来!

 






2018.12.29

 


★ 柔化と硬化・・ 一張一弛

 


 テニスやスキーなどライトなサークルが隆盛だった学生期に古流武術なんて女の子と全く出会えそうにもない時代遅れなものに精を出していた

 

 

 古武術といえば実用よりも伝承に重きをおくのが主流であったが、古伝の技で現代の格闘技にどう対抗するかを模索する一風変わった稽古をしていた。古武術の師範は帝大(高専)柔道部OBでもあったので、形を分解し攻防の変化から寝技へ移行するなど1980年代にして、ブラジリアン柔術や総合格闘技に通じる革新性があったように思う。それはちょうどプロレスを中心に異種格闘技が耳目を集めていたこともあり、ボクシングや空手の経験者を交えて突き蹴りに対しての当身組技の実験的な稽古であった

 

 

 古流に「身のこなしは柔らかく力は内に含む・・」と口伝がある、なかなか深い意味があると今でこそわかるが、当時は関節技の離脱には身体が柔らかいと有利、よって柔軟性を高めるにはどうすればよいかと単純に捉えていた。そのため日本ヨガのパイオニア佐保田鶴治氏が大学の教職にあることを知り、その縁でヨーガを始めることにした。その頃は今以上にヨガは女性のものという観念があったのでけっこう抵抗があったのだが、京都東福寺で座禅をし、瞑想に興味もあったので男性の参加もあるという一般講習会から参加することにした

 

 

 そんな日々・・師範の推薦で参加した居合の稽古会で薩摩示現流の心得がある方と知遇を得た。流儀の技法稽古法を熱心に聞いてるうちにそんなに興味があるなら一緒に稽古をしましょうという願ってもない話になった。練習当日、特に複雑な技法形をすることもなく、棒に打ち込むだけの単純なものであったが、いくつかの気づきもあった。打ち込む際に強く打とうとするあまり肩に力みがあると注意され、柔らかくインパクトに力を集中するようにと指導を受けたが、身体の締めが弱く力が散じて上手くできない。柔らかさばかり追求すると身体幹力が凝集できず実戦の打力が弱くなることがわかった

 

 

 それから数十年の歳月を経て、ヨガスタジオを経営していた時に同じことに突き当たった。ストレッチをやり過ぎて筋腱の収縮性を落としてしまい、発動発力時に力が漏出する感覚に悩んだ。仕事で日々ヨガの教導を行うなかでオーバーワークになってしまうことはやむを得ない、ただ何かでそれを修正しないといけない

 

  

 

 

 

  そこでいろいろ試したなかで過剰な柔化には硬化でバランスをとることに行き着いた。意拳や古武術にはギュンと身体を絞ることはない。そこで取り入れたのは、かつて意拳関連の門派を探訪していた時に福州で出会った永春鶴拳、意拳試力の勾掛扶按抜水.....等明らかに鶴拳由来であることが見て取れた。空手の源流でもあるので筋肉をグッと締め付けるように硬化する技法もある。見よう見まねの真似事ではあるが、弛み過ぎた収縮力にバネを入れるためリハビリ訓練として時々行うようにした・・その後ヨガ漬けの日々から解放された現在もたまにではあるが補助訓練として続けている。空手の転掌と鶴拳を合作した「鶴拳転掌」である...

 


 

 2017.03.12

 

 

★  BORNS (骨) と CHAKRAS (気) で使えるヨガボディに・・

 

 

  昨今のヨガ教室はアライメント、アナトミー(解剖学)的に正しいポーズが強調されます。ちなみに30年前の教室ではあまり言われていませんでしたね ... 。

 

  アイアンガーアシュタンガ等の新興流派や全米ヨガアライアンス認定などの指導者にその傾向が顕著で、それが近代的科学的ヨガだと信じられています。一種の西洋信仰でしょうか、インドのヨガなのにアメリカ様の認定資格をありがたく頂戴してることも滑稽なんですが・・ 

 


  筋肉アライメントのヨガは本来のヨガ(YUJ)を壊してしまうと20年以上も前から言ってるのに一瞥もされません。須らく常識とされてる事に反する事には、巨大な心理的抵抗が起こる「慣性の法則」が働いてるのでしょう

 

 加えてボディビルダーの筋肉が見た目だけの評価と同じく、ヨギヨギーニにとって軟体でさえあれば、身体が使えるかどうかはどうでもよいのでしょう... (:_;))

 

 

 そもそも何のために伸ばしたり捻じったりするかという考えが根本的に異なります。チャクラヨガは骨身のヨガです、それは一般のヨガと同じくストレッチを行いますが、カラダをただ柔らかくするという目的ではなく、骨を筋肉腱靭帯からリリースして動きやすい身体、機能的にワークできる<生き物>の身体にするのが目的です

 

 

 

 

  ポーズ中に筋肉や腱を意識すると骨との癒着が解けません、だから骨格アナトミーがわかれば、肩甲挙筋やらハムストリングがどうのとか要らないのです。筋肉なんか無いものと意識して骨を動かせばよいのです。古来の日本人はそのことがよくわかっていました、だから物事の核心を会得する時に " コツ「骨」をつかむ " と言ってたんです


 

 プライマリーコントロールはボーンストラクチャを整えます、それが真のアライメントです。ポーズが軟体でも骨身が硬いとマネキン人形のような形体だけの身体となります。グニャグニャとあちらこちら別々に可動させるチャクラダンスをやらせるとヨガ歴が長い人ほどギクシャクとロボ化するのは骨身が固定しているからです。孔雀のポーズコブラのポーズと動物名のアサナでも、野生の身体感性<機能的優位性>が失われることに多くのヨギヨギーニは気づいていません

    

 

 ※ 関連ページ ヨガの真実 コラム 10 11 16    

 

   

 

 

 

幕末米国商人が撮影した江戸の風景

 

ヨーガ=アサナとしたら ...  既にヨガがあった !?





  2016.10.11 

 

 

★ プライマリーコントロールについて・・

 

 

 ヨガの学習ではストレッチ軟度の高いアサナ(Pose/Posture)を規範とします。実はこれがカラダの使い方を誤らせ、損傷を招き易くしたり活動の質を落としています。良いポーズへ向かおうとする意識が、皮肉にもココロとカラダの働きを誤用させてしまっているのです

 

 

 その理由は「ポーズ=身体の位置」との勘違いがあるからです。位置と動きを別のものと考えると固定状態で良い姿勢へ向かおうとして、自然な働きつまり機能的優位性を損ねます

 

 

 静止中でも姿勢内は常にある位相からある位相へ移行しています。良いポーズ(位置)に向かうという意識が強いほどその内在するワークを妨害します。それを止めるにはポーズが固定した身体の位置だという誤った意識を改めることです。機能的に優位な方向が内在すれば、ヨガアサナに限らず武道の形スポーツのフォームなどで優れたコーディネーションが発揮されます

 


 アレクサンダーテクニークでは機能の向上は正しい使い方を学ぶことではなく間違った使い方を止めることだと言います。その原因は私たちが「何をしようと意図しているか」にあり、何をするにしてもできるだけ早く、簡単に、目に見える形で、直接的な成果をあげたいという思いが、結果優先になり誤用を生み出すのです。よって大事なことは抑制的な働きを持つことです

 

 

 BODYWORK-YUJ の <プライマリーコントロール> は固定化された形や動きではありません、短絡的な結果を求めるココロとカラダの焦りを抑えること、しなくてよいこと=不自然で人工的な働きを止めて生来本能の自然の働きを取り戻すことにあります

 

 

 このことに気づいたのはアレクサンダーだけではなく、武術やヨガの世界<意拳椿功・チャクラワーク>もそこに着目しています。但しこれも野生の本能と意識すれば、反って機能を阻害します。その意識で導かれるワークが誤ってることもあります。本能的な働きは衝動的に噴き出すものではなく、抑制から搾り出てくるものです。ネコがネズミを見つけた時、一旦動きを止めた後に捕捉動作に移ります、プライマリー(優先的)コントロールはその静止の瞬間に見事に現れています

 

 

   じっと佇むハシビロコウも疾走するチーターも共に機能的な優位性を保持している・・